ベタオリ+受け■守備の要■
- 2007年02月16日
- 戦術
☆7.ベタオリ+受け~守備の要
1.守備の必要性
2.ベタオリの必要性
3.受けの必要性
4.守備の一貫性
5.オリ打ちは良いか悪いか
6.守備に関するおすすめ本とおすすめウェブサイト
前回は「6.牌効率+手筋~攻撃の要」について書きました。
攻撃の要となる、牌効率と手筋を覚えるのには、とにかく本で勉強すること。
何度も何度も繰り返し本を読み、あらゆるパターンを丸暗記して、実践せよ。
とにかく数稽古だ!
そう書きました。
さて今日は「守備」について書こうと思います。
まず守備の必要性について説明します。
1.守備の必要性
基本的に麻雀は四人でやるゲームですよね。
ということは、あなたが毎回アガれるわけではないわけです。
単純に考えれば、あなたがアガる確率は4分の1なのです。
「攻撃は最大の防御」とばかりに、ゼンツ(全ツッパ。要は全くオリない)する方もいらっしゃるでしょう。
私も昔はそうでしたよ。
たしかに、あなたが全部アガリきれば、全く失点することなくゲームが進められますね。
でも、あなた以外に3人が同じようにアガろうとしているわけです。
その中で、あなたは全ての局をアガりきれる自信がありますか?
無理ですよね。
前回ご紹介した、攻撃の要「牌効率」と「手筋」をどんなに極めても、あなたが全ての局をアガることは不可能なのです。
ですから、あなたはどこかで守備を考えなければならないのです。
あなたに麻雀に対する正しい認識があれば、守備に対してもっと考えなければいけないことがわかるはずなのです。
「麻雀は4人でやるゲーム」
「あなたが毎回アガれるわけではない」
そして、
「振込みは1人で点棒を支払うが、ツモられた場合は全員が点棒を支払う」
ということをしっかり認識していれば、守備に対してもっと意識しなければならないことがわかるはずです。
これらの「麻雀に対する正しい認識=マインド」は次回のメルマガから詳しく書いていきます。
あらゆる手段を用いて失点を減らす努力をすること。
これが守備です。
守備の方法はいろいろあります。
ベタオリ、受け、絞り、差込みetc
その中でも、もっとも基本的で重要なのが、「ベタオリ」と「受け」なのです。
2.ベタオリの必要性
「ベタオリ」とは、ほぼアガリを放棄して、相手に振り込まないことを最優先に、安全牌を捨てていくこと。
もっとも基本的な守備ですが、もっとも重要なことです。
「相手に振り込まないことを最優先にする」
これがとても大事なのです。
先ほど触れましたが、「振込みは1人で点棒を支払うが、ツモられた場合は全員が点棒を支払う」
というマインドがあなたに備わっていれば、ベタオリの重要性がわかるはずです。
あなたが放銃することにより、アガッた相手だけじゃなく、他の2人とも点差が広がるのです。
逆にツモられるのであれば、他の2人とは点差は変わらないわけです。(まぁ親とかだと別ですが)
さらに言えば、横移動であればあなたの点棒は減らないわけです。
(横移動とは、あなたに関係の無い2人で点棒をやりとりすること)
例えば
東1局
あなたは南家です。
親からリーチが入りました。
①あなたが親リーチにツッパって12000を打ったとしましょう。
すると親とは24000点差になります。
西家、北家とは12000点差です。
あなたはラス目です。
東家 37000
南家 13000
西家 25000
北家 25000
②あなたがベタオリして親が4000オールをツモッたとしましょう。
すると親とは16000点差になります。
西家、北家とは同点です。
あなたは2着目です。
東家 37000
南家 21000
西家 21000
北家 21000
③あなたがベタオリして親が北家から12000をアガったとしましょう。
すると親とは12000点差になります。
西家と同点の2着目です。
東家 37000
南家 25000
西家 25000
北家 13000
④あなたがベタオリして流局したとしましょう。
親の1人テンパイです。
親はリーチをかけているので、3000点差になります。
西家、北家とは同点の2着です。
東家 27000
南家 24000
西家 24000
北家 24000
供託1000点
どうですか?ベタオリの意味が少しわかりましたか?
順位ウマがある場合、着順は常に意識していなければなりません。
一つでも上の着順を目指すために、ベタオリは必須の技術なのです。
とはいえ、毎回ベタオリをしてアガリを放棄するわけにもいきません。
攻守のバランスが大事であることは以前に書きました。
どの段階でベタオリをするのか?まだ攻めるのか?
「押し引き」に関しては次回以降のメルマガで書きますね。
3.受けの必要性
「受け」とは、完全にアガリは放棄せず、比較的安全牌と思われる牌を切り、隙があればテンパイを組み、アガリを狙うこと。
「受け」を中途半端な守備と考えて嫌う方もいらっしゃるでしょう。
でも、テンパイ料ってバカにならないんですよ。
とはいえ、テンパイ維持やリーチをさばくことにこだわりすぎて放銃してしまっては元も子もない。
無理をしないのが「受け」の基本的な考えです。
もちろん
テンパイ連荘のルールで、最後の親権を維持しなければならない局面
オーラス、テンパイノーテンでトップが変わる局面
などなど、無理をしてでもテンパイにとらなければならない局面は頻繁にあります。
このような局面に力を発揮するのが「受け」の技術なのです。
危険牌を切らないようにしてテンパイを組む技術
そして隙があれば相手の手をさばき、アガリを拾う技術
「受け」はめちゃめちゃ大事なんですよ!
4.守備の一貫性
「一度止めた牌は切るな」
「ベタオリから急に攻めにでるのは一貫性が無い」
こういう考え方はありますね。
私も昔はそういう考えでした。
でもね。
「誰かが一牌ツモって切るたびに、局面は変化する」
のです。
これも大事なマインドです。
局面が変化すれば、それに応じてあなたも対応するのは当たり前のことです。
ずっと止めていた危険牌が安全そうになったら切るでしょう。
あなたの手が整ってきて勝負に値する手になったら、危険牌でも切るでしょう。
それで放銃したからって悔やむことは何一つ無い。
問題なのは、
「一貫性が無いことは駄目だ」という考え方にとらわれすぎることによって、メンタルバランスを崩すこと。
いや、もしあなたが「一貫性がある」ことを最重要視していて、それがあなたのメンタルを安定させる要素であるのなら、「一貫性」を追い続けて構いませんよ。
考え方は人それぞれですから。
ただ、「誰かが一牌ツモって切るたびに、局面は変化する」ということだけは認識しておいてください。
とっても大事なマインドです。
5.オリ打ちはいいか悪いか
片山まさゆき 「打姫オバカミーコ 3巻」より
波溜 「麻雀タブーランキングNO.1はオリ打ちだ」
五条 「オリ打ちは悪くない。
その局面で最も安全性の高い牌を打つことは長いスパンで見れば結局得なんだ。
問題なのはオリ打ちを罪悪視して攻めに傾きすぎたバランスの悪い戦術になることだ。
ベタ押ししてアガれない時もあれば、ベタオリしてオリ切れない時もあるでしょう。」
波溜 「勝負においており打ちは罪悪だ。
攻めていれば打ちこんでいなかった牌で打ちこみにまわるのは最も避けなければならない
愚行なんだよ。」
五条 「古いぜ波溜さん。」
「オリ打ちは悪くない」
この考えをはじめて聞いたときは波溜さん(片山先生)同様、とても感銘を受けました。
ただ、私と片山先生は、オリ打ちによる問題点の考え方が少し違います。
片山先生は、「オリ打ちは罪悪だ」と考えることによって、攻めに傾きすぎたバランスの悪い戦術になることを問題視しています。
私は、「オリ打ちは罪悪だ」と考えることによって、いざオリ打ちしたときにメンタルバランスを崩すことを問題視しています。
私も以前は、「オリ打ちは罪悪だ」と考えていました。
それゆえ、攻めに傾きすぎた麻雀を打っていました。
いざオリ打ちをしてしまったときは、熱くなって自分の麻雀が打てなくなることもしばしばありました。
でも、「オリ打ちは悪くない」という考え方を実践することにより、メンタルバランスがとても良くなりました。
ベタオリすると判断したところは、きっちりベタオリする。
今ではたとえ手詰まりになって放銃しても、全く後悔しません。
長い目で見れば得をしているのですから。
逆に、正しいベタオリが出来なくて後悔することはあります。
私のベタオリ技術の未熟さが原因です。
そういうときでも、後に引きずることはありません。
後悔の種類が違いますから。
もちろん、波溜さんや昔の私のように「オリ打ち」をすることがあなたのメンタルバランスを崩すのであれば、
絶対にオリ打ちをしないように心がけるべきでしょう。
でも、100%オリ打ちしないのはどんな一流プロでも不可能です。
「麻雀に100%はない」
これはとても重要なマインドです。
そして
「オリ打ちは悪くない」
これもあなたに身につけていただきたいマインドですね。
守備的に打って、たとえ悪い結果が出たとしても、長期的にみれば得になるのです。
目先の結果にとらわれて、メンタルバランスを崩すのが一番よくない。
「全てトータルで、長期的に考えよう」
これが勝つための秘訣、マインドなのです。
もっともメンタルを安定させる考え方なのです。
そして私が「勝つためにはシステムを作れ」といっているのも、
この「全てトータルで、長期的に考えよう」
というマインドに基づいたものなのです。
目先の結果にとらわれず、長期的な結果を追い求めるのです。
あなたにとって優秀なシステムを使い続ければ、絶対に結果が出ます。
たとえ今、10連敗しようとも、そのあとに20連勝があるのです。
もし結果が出ないのであれば、それはシステムに欠陥があるのです。
そこでシステムに修正を入れていくのです。
ちょっと話がそれましたが・・・
マインドやメンタル、そしてシステムに関しては次回からのメルマガで詳しく書いていきますから、楽しみにしていてくださいね。
6.守備に関するおすすめ本とおすすめウェブサイト
あなたはまずきっちりとした守備の技術を身につけてください。
具体的な守備の技術に関しては、いろいろな書籍やウェブサイトでご紹介されていますので、今回はいちいち書きません。
いずれ重要なところのみ、ちょこちょこご紹介していくと思います。
まずは以下でご紹介する本、そしてウェブサイトでしっかり勉強しておいてください。
☆おすすめ本
・五十嵐毅 「至高の守備」
守備のみに特化した本。
なかなかいいこと書いてありますが、全然売ってない。
廃刊?
・井出洋介 「東大式 麻雀に勝つ考え方―攻め・守り・状況判断の新セオリー」
前回のメルマガでもご紹介しましたが、守備についてもいいこと書いてあります。
必読。
・金子正輝 「最強プロが教える常勝の麻雀―牌の流れをズバリ読み切る『牌流定石』で必ず勝つ法」
金子さんといえば、よく牌流定石だけがクローズアップされてますが、それだけじゃない。
この本めちゃめちゃいいですよ。
私が麻雀を勉強し始めたときのバイブル。
守備についてもいいこと書いてありますし、特にリーチの考え方については必読です。
必読。
☆おすすめウェブサイト
「かにマジンの麻雀やおよろず」
守備のところだけじゃなく、全て読んで欲しいです。
いいこと書いてありますよ。
前にも書きましたが、書いてあること全てを鵜呑みはしないでください。
これだけいろいろな本やウェブサイトをご紹介すると、当然それぞれ矛盾することが書いてあります。
どの考え方を使うかはあなた次第。
あなたの考え方に合った、使えるところだけを吸収してくださいね。